富士通のノートPC、AH77/GをSSDに換装する
富士通から2012年に発売されたAH77/G。
発売から6年経過しつつも、未だに現役で頑張っています。
しかし、起動に時間がかかったり、デスクトップが出ても常駐ソフトの起動が遅かったりするなど、「重さ」を感じる場面が増えてきました。
この「重さ」を解決するのがSSDへの換装です。
SSDに換装すると速くなる理由はここでは割愛します。
この記事ではこの機種のSSDへの換装方法を紹介します。
画像はWindows 10となっていますが、私の気まぐれで再アップグレードしただけなので、Windows 7でもちゃんと換装できます。
また、SSDへの換装は自己責任です。
メーカーの修理は当然ながら受け付けられなくなりますし、私も責任を取ることは出来ません。
今回私が換装したSSDはSanDiskの「SSD Ultra 3D 500GB」です。
目次
必要なもの
- SSD本体
これがないと始まりません。
2.5インチのものを選んでください。
- SATA - USB変換ケーブル
下記のクローニングを行う際に必要となります。
2.5インチ用を選んでください。
- 7mm→9.5mm変換スペーサー
7mmのSSDを購入した場合、厚さが足らずにスペースが余ってしまいます。
そこで、このスペーサーで余った分を埋めます。
無くても使えはしますが、ガタガタして不安定になるのであった方が良いです。
- ドライバー
PCの裏蓋を開ける、閉める時に必要になります。
- リカバリディスク
最後の起動チェックでトラブルが発生した時に必要となります。
Vista以降のインストールDVD、WinPEなどの起動ディスクがあればそれで代用できます。
HDDの中身をクローニングする
換装するにあたり、まずはSSDをクローニングします。
クローニングとは、大雑把に言うとHDDの中身を丸ごとSSDに移植する作業の事です。
余裕で数時間かかるので、時間に余裕がある時に行ってください。
まず最初に、SATA - USB変換ケーブルを利用して、PCにSSDを接続します。
今回私が使用したソフトは「EaseUS Todo Backup」です。
次のサイトにアクセスしてください。
jp.easeus.com
ページ上端部分にある「無料ダウンロード」をクリックします。
メールアドレスを入力して、「Todo Backup Free」をクリックします。
(下のチェックボックスにはチェックを付けなくてもOKです)
左の目立たない色の方の「ダウンロード」をクリックしてください。
ダウンロードするかブラウザに聞かれるのでダウンロードしてください。(画像はFirefox)
ダウンロードしたら、画面に従ってインストールを行ってください。
起動すると、ユーザーアカウント制御の後にこんな画面が出ます。
右下の「後で」をクリックします。
赤で囲った、四角が二つ重なっている所をクリックします。
クローン元のハードディスクを聞かれるので、ハードディスク0の部分にチェックを入れてください。
※下の画像のようにCドライブだけをクローニングすることも出来ます。
(何故か2つ以上のドライブを選択することは出来ません)
クローニング先となるSSDを聞かれるので、外付けハードディスクなどを接続していない場合は、ハードディスク1をクリックします。
他に外付けハードディスクなどを接続している場合はここの数値が変わることがあるので、エクスプローラーからコンピューターを開き、そこに表示されている容量を参考にして、それとほぼ一致しているものを選択してください。
選択すると、右に「編集」という文字が出てきます。
そこをクリックしてください。
下の画面が出てきます。
パーティションの数に関わらず、変な分け方になることがあるので必ず確認してください。
パーティションの容量はドラッグで変更できます。
(後で変えたくなったときはクローニング完了後に、コンピューターの管理>ディスクの管理から「ドライブの拡張(or縮小)」で行うことが出来ます)
左下の「高度なオプション」をクリックしてください。
「SSDに最適化」にチェックを入れます。
また、HDDを丸ごとクローニングする場合、クローン元のディスクにリカバリ領域がある場合は「セクタバイセクタクローン」にチェックを入れてください。
原因は分かりませんが、チェックを入れないとリカバリに失敗することがあるようです。
「次へ」をクリックすると、再びパーティション分けの画面になります。
(この画面はCドライブだけをクローニングする時には表示されません)
「実行」をクリックすると、警告が出るので「はい」をクリックします。
クローニングが始まります。
上にも書きましたが、終わるまで数時間かかります。それまでの間PCはなるべく操作しないでください。
クローニングが終わると下の画像のようになるので、ソフトを閉じてPCをシャットダウンします。
(左下にチェックを入れている場合は自動でシャットダウンすると思います)
ハードディスクにはまだデータが残っていますが、この段階ではフォーマットしないように。
換装作業
PCの電源を切り、バッテリーを取り外してください。
なお、取り外し方は説明書に記載されています。
メモリ(画像中央)→ハードディスク(画像左下)の順に蓋をドライバーを使って外します。
(画像ではバッテリーが入っていたり、ハードディスクの部分の右の方にネジが入っていませんが、実際にはバッテリーは入っておらず、ネジも入っている状態です)
ハードディスクを覆っている銀色のシートにある5か所のネジを取り、シートとハードディスクをPCから取り外します。
なお、ハードディスクは取り外すときに端子を傷つけないように気を付けて取り外してください。
SSDにマウンターをSATA端子が付いてない面に貼り付けます。
そして、シートの黒い部分がSSDの下にくるようにSSDを包みながらSSDをPCのSATA端子に挿入します。
(この時、SSDの向きはSATA端子がある面が上となります)
うまく行けば下の画像のようになります。
シートにネジを取り付け、メモリが入っている部分の蓋を閉めます。
SSDが入っている所の蓋を閉め、バッテリーを取り付けます。
これで、換装作業は終わりです。
起動チェック
いよいよ、起動チェックに入ります。
この瞬間がSSD換装の中でも一番ワクワクする瞬間です…!
上手く起動すれば、おめでとうございます!
SSDの換装に成功です!
…ですが、ほとんどの環境ではエラーが発生して起動できないと思います。
エラーが発生した時
パソコンが黒い画面のまま止まっている時は電源を切ってください。
電源を入れ、富士通のロゴが表示されている時にF12キーを連打します。
起動メニューが表示されるので、SSDの機種名が書かれている項目があるか確認してください。
ある場合は下の作業でほぼ確実に直りますが、ない場合は再度起動してもう一度確認し、それでもない場合は上の換装作業をやり直してください。
やり直してもない場合は初期不良の可能性があります。メーカーに問い合わせて交換してもらってください。
それでもダメな場合はPCとの相性が悪いので別のSSDで試してみてください。(痛い出費になりますが…)
ここからは、起動メニューにSSDの項目がある、つまりPCがSSDを認識している時の対処法です。
リカバリディスクを入れ、「CD/DVD Drive」から始まる項目を選択してください。
※インストールDVD、WinPEの場合はコマンドプロンプトを起動する手順が異なります。この記事では省略するので各自で調べてください。
なお、コマンドプロンプトを起動した後は同じ手順となります。
トラブル解決ナビが起動するので、キーボードのCtrlとShift、Sキーを同時に押して下さい。
その後、「ユーティリティ」タブからコマンドプロンプトを起動します。
そして、以下のコマンドを入力してください。
bootrec /fixmbr bootrec /Rebuildbcd bootrec /fixboot
最後に、
wpeutil reboot
と入力して再起動します。
起動すれば成功です。
おめでとうございます!
起動しない場合はSSDのクローニングの所からやり直してください。
それでもダメな場合は初期不良かPCとの相性、もしくは元となるハードディスクが故障している可能性があります。
ハードディスクの故障の場合は必要なデータを取り出してからSSDでリカバリしましょう。
(リカバリのやり方はここでは割愛します、すみません)
換装した後の感想
とにかく速い、これに尽きます。
起動時間(デスクトップが表示されるまで)もHDDの2:58.38から40.27に大幅に短縮できましたし、Firefoxの初回起動の時に時間が掛かっていたピン留めしたタブの読み込みが一瞬で終わるようになりました。
また、ベンチマークも
読み書きが全体的に速くなっています。(シーケンシャルリード半端ねぇな)
連続データはもちろんのこと、ハードディスクで苦手だったランダムアクセスもSSDなら普通にこなせます。
そして何より、SSDに換装してからPCの立ち上げや再起動が億劫にならなくなりました。
起動中の待ち時間ってなんか辛いんですよね。
スマホいじってても「まだかなまだかな」と思いますし、その間に作業するやる気が消えることだってありますし。
SSDに換装してから起動中、速いというのが分かっているのでPCに集中できるようになりました。
そうすることで、作業もパパっとやる気がある状態でこなせますし、ソフトの起動、ファイルの読み込み時間でイライラすることもなくなりました。
SSDを買うということは「時間を買う」というのに近いです。
まさに「時は金なり」です。
一度SSDにしたらHDDには戻れないと言われるほどの速さ、あくまで自己責任ですが、皆さんもSSDに換装して体感してみてはいかがでしょうか。